派遣で働く皆さんの中には、こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
- 働いても給料がなかなか上がらない
- 同じ仕事でも他の人は時給が高い気がする
- 昇給のタイミングや方法がわからない
この記事では、そんな悩みを解決するための具体的な方法を紹介します。
実際に派遣で昇給を実現した経験と、成果やスキルを活かす交渉のポイントをもとに、誰でも試せるステップをまとめました。
これから紹介する5つの方法を実践すれば、給料が上がらない不安を解消し、少しずつ待遇を改善することが可能です。
目次
1. 派遣 給料 上がらない原因を知ろう
1.1 派遣制度と昇給制度の関係
まず知っておきたいのは、「派遣社員には昇給制度がない場合が多い」という点です。
正社員のように毎年自動で給料が上がる仕組みがあるわけではありません。
理由は、派遣社員の給与が契約で定められており、契約期間中は金額が固定されることが多いためです。
具体的には次のようなケースがあります。
- 契約ごとに時給が決まっており、更新しても同額のままになることがある
- 派遣先が変わらない限り、自然に昇給が発生しにくい
- 派遣会社によって昇給制度の有無が違う
つまり「働き続けていれば自然に上がる」という仕組みではないのです。
まずはこの仕組みを理解することが出発点になります。

私もこれまで延べ8年派遣社員として働きましたが、評価が良くても何もしなければ給料は変わりませんでした。
1.2 派遣先・派遣元のマージン構造
次に押さえたいのが「マージン率(手数料)」の仕組みです。
派遣の給料が上がらない背景には、派遣先と派遣元の間でお金の分配が決まっていることがあります。
派遣料金の流れはこうなっています。
- 派遣先(企業)が派遣会社に支払う「派遣料金」がある
- その中から派遣会社が手数料(マージン)を引く
- 残りが派遣社員の給料として支払われる
たとえば、派遣先が1時間あたり3,000円を支払っていても、派遣会社の手数料が1,000円なら、あなたの時給は2,000円になります。
このように「昇給したくても、マージン率が高いと上げづらい」という事情があるのです。

複数の派遣会社に登録して求人情報を見ていたところ、同じような求人案件でも時給が異なる情報がありました。
1.3 評価や交渉力が弱いこと
最後に、「評価されにくい」「交渉できない」ことも大きな原因です。
派遣先の担当者は正社員のように直接昇給を決める立場にいない場合が多く、そのため、あなたの働きぶりが伝わらず評価が上がらないままになることがあります。
ありがちな原因は次の3つです。
- 成果や貢献を言葉にして伝えていない
- 更新時期に交渉のチャンスを逃している
- 遠慮して「今のままで大丈夫です」と言ってしまう
派遣社員は自分で動かないと給料は変わりません。自分の価値を言葉にして伝えることが、昇給への第一歩です。

勇気を出して更新時期に相談し、交渉してみたら100円アップにつながりました。
2. 方法1:スキル・資格で価値を上げる
2.1 業務に役立つ資格を取得する
給料を上げる近道は、仕事で使えるスキルや資格を身につけることです。
資格を持っている人ほど派遣先で「即戦力」と見なされやすく、結果として時給が高くなるケースが多くあります。
たとえば、同じ経理の仕事でも簿記2級を持っていると時給が上がる場合があります。
派遣で評価されやすい資格の例は次の通りです。
- 事務職:日商簿記2級、MOS(エクセルやワード)
- 営業事務:TOEICやビジネス英語の基礎
- 医療・介護:実務者研修や医療事務の資格
資格を取ることで「この人に任せれば安心」と思ってもらいやすくなり、派遣会社や派遣先での交渉材料にもなります。
筆記試験や勉強の時間は必要ですが、将来への投資になるでしょう。

わたしの友人は、簿記2級を取ったことで次の派遣先では時給が100円アップしました。努力が形になった経験です。
2.2 新しい業務を学んで幅を広げる
もう一つの方法は、今の仕事の「幅」を広げることです。
複数の業務をこなせる人ほど派遣先からの評価が高まり、結果として時給アップにつながりやすいです。
給料を上げたいなら「今の仕事+α」で貢献できるようになることを目指しましょう。
すぐにできる行動の例を挙げます。
- 先輩の仕事を観察して少しずつ覚える
- エクセルの関数やショートカットを調べて実践する
- 電話応対や書類整理など、周囲を助ける動きを増やす
こうした小さな積み重ねが信頼を生み、時給アップのきっかけになります。
まずは一つでも新しい業務を自分の担当に加えることを考えてください。

派遣先の契約社員の方の業務を引き継ぐことになり、仕事の「幅」が広がったタイミングで、更新時に評価され昇給につながりました。
3. 方法2:交渉材料を用意して派遣会社へ相談
3.1 具体的な成果・数字を示す
給料を上げたいときは、感情ではなく「数字」を使って交渉することが重要です。
派遣会社の担当者が派遣先に話を通す際、客観的な根拠があると説得力が増します。
数字で示すことで、あなたの貢献が一目で伝わるようになります。
効果的な伝え方の例は次の通りです。
- 経費処理の件数:1日30件→50件に増やした
- ミスゼロで3ヶ月連続作業を完了した
- 業務マニュアルを作り、引き継ぎをスムーズにした
こうした具体的な数字や実績を伝えると「この人は成果を出している」と評価されやすく、交渉の話も前に進みやすくなります。
数字で語ることが、昇給交渉の第一歩です。

更新面談で業務改善提案が採用されたと話したら、担当者から「交渉してみます」と前向きな返答をもらえました。
3.2 他社・他現場の時給実例を提示
もう一つの交渉材料は「他の派遣会社や職場の時給情報」です。
同じ仕事内容でも派遣会社や地域によって時給の相場が異なるため、相場を知ることが大切です。
自分の現在の時給が適正かどうかを判断するための重要な材料になります。
調べるときのポイントは次の通りです。
- 派遣求人サイトで「同じ職種+地域」で検索する
- 大手派遣会社の求人を比較する
- 勤務時間・業務範囲・経験年数など条件をそろえて比べる
「同じ業務内容で他社では時給1,800円が多い」などの客観的な情報は、交渉時の強い武器になります。
自分の価値を知ることは決して図々しいことではありません。

同じ派遣社員として働いている友人は他社の求人を見せながら相談したら、担当者の対応が変わり交渉に前向きになってくれたと喜んでいました。
4. 方法3:タイミングを見て交渉を切り出す
4.1 契約更新の1か月前を狙う
給料交渉をするなら、タイミングがとても重要です。
特に契約更新の1か月前は、派遣会社も派遣先に話を通しやすい時期になります。
このタイミングを逃すと、交渉のチャンスを次の更新まで待つことになり、昇給の機会が遠のくことがあります。
交渉の準備におすすめのポイントは次の通りです。
- 契約更新日をカレンダーに記入して、1か月前に準備を開始する
- これまでの成果や貢献を整理してまとめる
- 希望の時給や条件を具体的に考えておく
このタイミングを意識するだけで、担当者も前向きに検討してくれやすくなります。

契約更新の1か月前に交渉したら、担当者が派遣先とすぐ調整してくれ、希望通りの時給になりました。
4.2 業務変化や責任が増えた時点で交渉
もう一つの有効なタイミングは、業務量や責任が増えた時です。
理由は、派遣先から見て「追加の仕事を任せられる価値」が明確になるからです。
仕事の幅が広がったときに交渉すると、派遣会社や派遣先も納得しやすくなります。
具体的な行動例は次の通りです。
- 新しい業務やプロジェクトを任された直後に、成果や取り組み内容を整理する
- 派遣会社に「追加の業務を担当しているため、時給見直しをお願いしたい」と相談する
- 感情ではなく、具体的な業務内容や数字を提示する
この方法は、派遣先に「頑張った分の対価」を示すため、自然に昇給交渉につなげられます。

新しい業務を任された直後に交渉したところ、担当者から「評価します」と前向きに返事をもらい、昇給が実現しました。
5. 方法4:派遣先での評価を高める行動
5.1 事前準備・丁寧な対応で信頼を得る
派遣先での評価を上げるには、まず日々の業務で「信頼」を積み重ねることが重要です。
事前準備や丁寧な対応を心がけるだけで、派遣先の担当者に安心感を与え、評価につながります。
具体的な行動例は次の通りです。
- 会議や打ち合わせ前に資料や内容を確認して準備を整える
- 依頼された業務は期限内かつ正確に仕上げる
- メールや報告はわかりやすく、丁寧な言葉遣いを意識する
小さな努力でも、派遣先の印象を良くし、評価アップのチャンスにつながります。
5.2 改善提案や効率化で貢献を見せる
次に効果的なのは、「改善提案や業務の効率化」で自分の価値をアピールすることです。
派遣先は、単に作業をこなすだけでなく、仕事をよりスムーズに進める工夫ができる人を評価します。
実践しやすい方法は次の通りです。
- 作業手順を整理してミスを減らす工夫をする
- ルーチン業務の時間を短縮できる方法を提案する
- チームメンバーの負担を減らすサポートをする
こうした行動は「この人がいると助かる」と思ってもらいやすく、派遣会社への報告にもつながります。

業務の改善案を提案したところ、派遣先に評価され、更新時に担当者から「交渉してみます」と前向きな返答をもらえました。
6. 方法5:派遣先や派遣会社を変える選択肢
6.1 派遣先を変えるメリットと注意点
給料を上げるためには、思い切って派遣先を変えることも選択肢の一つです。
理由は、同じ仕事内容でも派遣先によって時給や昇給の仕組みが異なるためです。
派遣先を変えるメリットと注意点は次の通りです。
- メリット:時給が上がる、スキルの幅が広がる、評価されやすい
- 注意点:新しい環境になれるまで時間がかかる、人間関係のリセットが必要
- ポイント:契約更新のタイミングや業務内容を確認して検討する
時給アップのために、環境を変えることは有効ですが、慎重に検討することが大切です。

私の友人も、別の派遣先に変えたことで、同じ業務でも時給が150円アップしたことがあるそうです。
6.2 派遣会社を変えるメリット
派遣会社を変えることも、給料アップにつながる場合があります。
理由は、派遣会社によってマージン率や昇給制度、取り扱う求人の条件が異なるためです。
派遣会社を変える際に考えるポイントは次の通りです。
- 他社の求人で時給相場や条件を調べる
- 自分のスキルや希望条件に合う派遣会社を選ぶ
- 面談時に昇給や評価制度について確認する
会社を変えることで、新しい条件や環境を得られる可能性があります。
現状に満足できない場合は、前向きに検討する価値があります。
7. まとめ:派遣 給料 上がらないときに試す5つの方法
ここまでで紹介した方法を整理すると、派遣で給料が上がらないときには、自分から動くことが大切だとわかります。
単に「待つ」だけでは昇給は難しく、行動次第で状況を変えることができます。
具体的には次の5つの方法です。
- スキルや資格を取得して価値を上げる
- 成果や数字を使って派遣会社に相談する
- 交渉のタイミングを見て切り出す
- 派遣先での評価を高める行動をする
- 派遣先や派遣会社を変える選択肢を考える
どの方法も少しずつの努力や準備が必要ですが、その分成果につながりやすくなります。
大切なのは、自分の価値を知り、タイミングを見極めながら行動することです。

これらの方法を組み合わせて実践した結果、時給が上がり、自分の成長も実感できました。
焦らず、少しずつ行動することが成功の鍵です。
最後に、派遣で給料が上がらないと悩む方は、まず自分の状況を整理して、どの方法から試すか計画を立てることをおすすめします。
小さな一歩が、大きな成果につながることを覚えておいてください。